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予防歯科について

予防歯科とは

「歯医者さんには歯が痛くなってから行けばよい」あなたはこのように思っていませんか。
「予防歯科」とは、これまでの「痛くなったら治療する」という考え方とは異なる発想です。
「お口の健康を維持する」という歯科スタイルのことです。
私の経験では、定期的に受診される方には、虫歯が大きく進んだり、歯周病がみるみる進んだりするケースはほとんどみられません。
定期的な受診、プロフェッショナルケア、ホームケアなどについて、十分にご理解いただき、メインテナンスケアを行うことによって、虫歯や歯周病とは、ほぼ縁のない生活を送ることができるのです。

予防歯科のメリット

欧米では何十年も前から予防歯科への意識が浸透しています。
そのため、お年寄りの残存歯数が、日本に比べてはるかに高くなっています。

虫歯・歯周病の発症を未然に食い止め、お口の中をより健康で快適な状態のまま維持していく。これが「予防歯科」の目的です。

・虫歯などお口の中のトラブルを未然に防ぐ
病気も虫歯も歯周病も、早期発見、進行抑制が大切です。
定期的にチェックを行うことで虫歯や歯周病の予防になり、大切な歯をいつまでも健康的な状態で維持することができます。

・治療の痛み・費用を低減できる
痛みや症状がひどくなってから治療するとなると、余計に痛みが伴うもの。それに加えて、治療費用や期間もかさんでしまいます。
しかし、予防歯科で早期発見ができることで、痛みはもちろん、治療費用を大きく低減することができます。

・お口の中がスッキリする
予防歯科では、歯についた汚れをピカピカ、ツルツルに落としてくれます。
もちろん、痛みはありません。嫌なドリルの音もしません。気持ちがよくて、眠ってしまう人もたくさんいるほど。
実際、歯医者さんにサロン感覚で通う方も増えています。

他にも、
「治療をしたはずの歯が、何度も虫歯になってしまう」方、「ブラッシングをしているはずなのに、虫歯になりやすい」という方、ぜひ一度ご相談ください。

治療によって歯を削れば、その分だけ歯はダメージを受けます。
さらに同じ歯に繰り返し治療を行うことで、その歯を失う確率も高くなります。
歯を失うと、残りの歯の負担が増えることになり、それが次の歯を失う原因にもなるのです。

当クリニックの予防歯科の治療メニュー

・4か月~半年に一度の間隔での定期的受診をお勧めしています 私たちは、4か月~半年を一つの目安と考えております。 お口の中の状態、あるいはお仕事その他の状況により、受診の間隔を調整します。 無理なくいらしていただくことをいちばんに考えておりますので、何なりとおっしゃってください。 たとえば、高級車に乗っていても、メインテナンスを怠れば車はボロボロになってしまいますよね? 「自費治療での質のよいつめもの・かぶせものは、メインテナンス不要」と考えている方は多くいらっしゃいます。 しかし、車と同じで、質のよい材料でも、メインテナンスを怠れば、すぐに使えなくなってしまうのです。保険のものでも、しっかりメインテナンスをすれば、それなりに長持ちします。 歯は一生つかうもの。 歯を長く愛用していただくお手伝いを、私たちにさせていただきたいと思います。

・プロフェッショナルケアとホームケアについて

プロフェッショナルケアは、歯医者さんで専門家の手によって行われるケアを言います。スケーリング&ルートプレーニング、PMTC、フッ素塗布がそれにあたります。

ホームケアは、ご家庭で患者さまご自身が行っていただくケアを言います。歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを使ってのケア、フッ素やキシリトール入り用品の使用などがそれにあたります。

スケーリング&ルートプレーニング

「スケーリング」とは、歯肉や歯周ポケットから歯垢や歯石などを除去する治療法です。
超音波スケーラーなどを使用して、少ない痛みで歯石まで簡単に除去できます。
歯石などを除去した後の歯根の表面は、ザラザラしています。そのままでは、歯垢がつきやすく、歯周病や虫歯になるリスクが高まります。
そこで、スケーリングのあと「ルートプレーニング」を行い、歯根の表面を滑らかにしておきます。

PMTC

「PMTC」とは「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略で、専門家による専門器具を用いた歯のクリーニングを指します。
専門器具を用いて、ご家庭でのケアでは除去しきれない歯の表面の着色や汚れを、徹底的に研磨・清掃する治療法です。

フッ素塗布

歯や骨にとってよい影響を与えることで知られる「フッ素」を、歯に塗布する治療法です。フッ素は歯に対する作用と、細菌に対する作用があります。

歯に対しては
・石灰化を促す
・酸に強いフルオロアパタイトを生成する
・エナメル質の結晶性を向上させる

また、細菌に対しては
・細菌の活動を抑制させる
・細菌の酵素作用を抑制させる
などの作用があるため、細菌の酸の発生を抑制する効果があります

虫歯予防においては、3~4か月に一度のフッ素塗布が推奨されています。
フッ素は副作用も少なく、虫歯の抑制効果が高い薬剤です。
しかし、適切な食生活やブラッシングなどが実施されていなければ、フッ素塗布の効果はあまりありません。

ブラッシング指導

「歯磨きしているのに虫歯になってしまう」のはなぜでしょう?

それはご自身にあった方法でブラッシングが行われていないからです。

染色液で汚れが落ちているかチェックすると、意外に磨き残しが多く見られる場合があります。
磨きグセがあったり、奥歯のほうにしっかりブラシが届いていなかったり、これでは虫歯が進行してしまいます。

毎日のブラッシングは、虫歯や歯周病を防ぐためにとても重要な意味を持っています。

ただし、適切な方法でブラッシングできなければ、磨き残しが原因となって虫歯や歯周病になってしまうことも考えられるのです。

また、磨きすぎたために、歯の表面を削ってしまい、それが虫歯を誘発することもあります。

大人になってから歯の磨き方についてのチェックを受けるのは、恥ずかしかったり面倒だったりしますが、大切な歯の健康を守るためにも、私たちは、患者さんの行いやすい方法を、患者さんとともに作り上げていきたいと思っています。